関節リウマチの作業療法



関節リウマチ:(Rheumatoid Arthritis)

関節リウマチは自己免疫疾患の一つで、全国での患者数が70万〜80万人と推定され、男女比は1対4と女性に多く、30〜50歳代が発症のピークです。関節リウマチは疼痛を伴う多発性の関節炎を主症状とし、慢性に進行する全身性の炎症性疾患です。多くの場合は、関節は左右対称性に全身の関節が罹患し、発症早期から関節破壊が始まり、最初の1~2年が関節破壊の進行が最も早いです。薬物療法で治療する場合が多く、生物学的製剤が開発され、完全寛解が可能となりつつある疾患です。
関節リウマチは作業療法(リハビリテーション)も有効とされておりますが、現状として行われている施設は少ない印象です。

 
 

関節リウマチの治療

関節リウマチは①非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) ②ステロイド薬(プレドニン等)③抗リウマチ薬があります。
1999年にリウマトレックス®(メトトレキサート:MTX)が関節リウマチに使えるようになり、抗リウマチ薬の中ではリウマトレックス®が最も使われるようになりました。しかし、2000年以降生物学的製剤が多く開発され、現在では生物学的製剤や他の製剤を混ぜながら、リウマチの薬物療法を行うことも増えてきました。そこで、今回は抗リウマチ薬について紹介します。

 

抗リウマチ薬:生物学的製剤
・アクテムラ(トシリズマブ):皮下注射・点滴
・レミケード(インフリキシマブ):点滴
・エンブレル(エタネルセプト):皮下注射
・ヒュムラ(アダリムマブ):皮下注射
・シンポニー(ゴリムマブ):皮下注射
・シムジア(セルトリズマブペゴル):皮下注射
・オレンシア(アバタセプト):皮下注射・点滴

抗リウマチ薬は併用も可能ですが、記載のように皮下注射と点滴とがあります。皮下注射は自己で行うものと、病院に通院して行うものもあるので
対象者の方に確認すると良いです。関節リウマチの進行により、手指に変形が進むと、自己注射も困難になる場合もあります。よって、薬物の投与方法も確認しましょう。

 
 

関節リウマチの分類

関節リウマチは、Steinbrockerの病期の分類Steinbrockerの機能障害分類Larsenの病期分類があります。
 

Steinbrockerの病期の分類
 

Stage
内容
StageI(初期)
・X線上に骨破壊画像がない
・X線学的に骨粗鬆症はあっても良い
StageII(中等期)
・X線学的に軽度の軟骨下骨の破壊を伴う、あるいは伴わない骨粗鬆症がある(軽度の軟骨破壊はあってもよい)
・関節の運動はあ制限されても良いが、関節変形はない
・関節周辺の筋萎縮がある
・結節及び腱鞘炎のような関節外軟部組織の病変はあっても良い
Stage Ⅲ(高度進行期)
・骨粗鬆症に加えX線学的に軟骨及び骨の破壊がある
・亜脱臼・尺足変形あるいは過伸展のような関節変形がある
・線維性または骨性硬直を伴わない
・結節及び腱鞘炎のような関節外軟部組織の病変はあってもより
StageⅣ(末期)
・線維性あるいは骨性強直がある
・それ以外はStageⅢの基準を満たす

 
 

Steinbrockerの機能障害の分類

Class
内容
Class I
身体機能は完全で不自由なしに日常生活を行える
Class II
運動制限はあっても普通の活動なら何とかできる(仕事はできるが趣味ができなくなる)
Class Ⅲ
仕事や身の回りのことが、ごくわずかにできるか、ほとんどできない(仕事もできない)
Class Ⅳ
・寝たきりor車椅子に座ったきりで、身の回りのこともほとんどできないか、全くできない。(日常生活もできない)

 
 

Larsenの病期分類

Glade
内容
Grade 0
正常。変化はあっても関節炎とは関係ないもの
Grade I
軽度の異常。関節周囲のosteporosis,軽度の関節裂隙の狭小化のうち1つ異常が存在する
Grade II
仕初期変化。骨びらんと関節裂隙の狭小化。骨びらんは非荷重関節で必須
Grade Ⅲ
中等度破壊。骨びらんと関節裂隙の狭小化。骨びらんは荷重関節でも必須
Grade Ⅳ
高度の破壊。骨びらんと関節裂隙狭小化。荷重関節で骨変形
Grade Ⅴ
ムチランス変形

医師によっては関節リウマチの病期の進行を、どちらかの一方で評価する場合もあるため、どちらの病期の評価方法も覚えておきましょう。

 

 
 

関節リウマチの外科手術

作業療法士にとって関節リウマチは関わりの多い疾患です。関節リウマチの患者様によっては外科的手術を行う場合もあります。
ここでは、関節リウマチの外科的手術について簡単に紹介をします。
 

関節リウマチの外科手術はさまざまあります。関節リウマチは関節の変形を伴うため、過度に変形を伴った場合は外科的手術の適応となります。
頸椎の環軸椎亜脱臼に対しては、頚椎固定術。
肩関節・肘関節・股関節・膝関節に対しては、人工関節置換術が適応されます。同様に、手指もMP関節置換術、PIP関節置換術もしばしば行われます。
足趾の変形に関しても、K-wireで固定する固定術がしばしば行われます。
 

関節リウマチの合併症で遠位橈尺関節の亜脱臼により、手指の伸筋腱が皮下断裂することがあります。
その様な場合は、Sauve-Kapandji法:手関節形成術(尺骨を骨切し、橈骨に止める手術)と断裂した伸筋腱を中指や示指の腱に縫合する手術を行います。
術後の作業療法(リハビリテーション)は、幅が広く疾患と術式に応じて訓練や関節保護を指導できると良いです。

 
 

関節リウマチの作業療法・リハビリテーション

関節リウマチは上記のように様々な治療が行われます。病期がどの時期か?を考えて取り組みましょう。
関節リウマチの病期の炎症期であれば、関節保護を行うことが中心です。寛解期は関節の可動域制限の予防。
手術後は術部の治癒に応じた作業療法やリハビリテーションを提供しましょう。
また、関節の痛みや変形に応じて自助具の提供も良いです。

関節リウマチの手の保護:自助具
・MP関節の尺側偏位予防:ボトルオープナー
・手指の変形:片手用爪切り
・関越の痛み:マジックハンド・ソックスエイド
 
 

まとめ

今回は関節リウマチについて簡単に紹介しました。術後の作業療法が成功するように願っています。
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