基礎解説:心臓ペースメーカー



新人・学生・若手OT向け心臓ペースメーカー解説

心臓ペースメーカーについて解説します。心疾患も多く存在しますので、関わる機会も多いです。
簡単な基礎知識は入れてリハビリテーション・作業療法を提供できるようにしましょう。
 

ペースメーカーとは

ペースメーカーとは体内に埋め込んで心臓の脈を作る機械です。
ペースメーカーの本体を前胸部に植え込み、心臓までリードと呼ばれる電線を挿入し、心臓内へ固定をします。
リードの先端には電極があり、そこから電気刺激を行うことで、心臓を動かします。自分の脈がしっかり打てる時には、ペースメーカーは脈拍を監視しているだけになります。脈が遅くなるとペースメーカーが電気刺激を出して心臓を刺激し、脈を作ってくれます。ペースメーカーによっては、致死的不整脈の際に作動するタイプもあります。

 

適応疾患

ペースメーカーの適応疾患は以下の通りです。
・発作性心房細動だが心停止を認める場合
・洞結節不全症候群
・2度房室ブロック
・ウエンケバッハブロック
・モービッツⅡ型ブロック

 

ペースメーカーの脈を作る仕組み

電気刺激は、電圧と刺激時間を設定・調整して心臓に電気刺激を与えます。植え込み手術や専門外来では、心臓を動かせるギリギリの電圧の測定(閾値)を行います。通常のペースメーカーの設定は閾値の2倍以上の電圧設定を行います。
電圧を上げると電池の消耗が早くなり、交換手術までの時間が早まります。機種によっては8-10年程度だが、使用状況によって電池の寿命が変わります。
自己の脈が出ているときは、ペースメーカーは脈拍の監視を行います。
リードの先端の電極で、自己心拍の電気の大きさを測定し、機械の方では見落としがないように設定を行います。(センシングの設定)

 

ペースメーカーのモード

ペースメーカのモードの表し方
ペーシング部位・センシング部位・センシングイベントへの応答様式・レート応答の4つがあります。
ペーシング部位・センシング部位は以下のように表されます。
O=None
A=Atrium(心房)
V=Ventricle(心室)
D=Dual(A+V)
 
センシングイベントの応答は
O=None
I=Inhibited
D=Demand
 
レート応答
O=None
R=Rate modulation
 

作業療法上の注意点

作業療法・理学療法等のリハビリテーション時の注意点は下記の通りです
基礎疾患、ペースメーカーのモード、基本心拍数・上限心拍数、内服薬(抗血小板薬・抗凝固薬など)を確認をしましょう。
術後1週間以内は肩関節の外転90度以上でリードが牽引されしまい、脱落する可能性があります。主治医に確認をしましょう。
術後1ヶ月以内は、血腫の形成・リードの脱落による感知不全やペーシング不全が起こる危険性があります。可能な限り、心電図波形をみながら訓練をしましょう。
遠隔期は経皮的電気刺激・高周波治療・低周波治療による電磁波干渉や上肢を振り回すことや肋鎖靭帯に挟まれることでリード不全を起こします。
急性期から感染症のリスクも高いため、埋め込み部の観察を行い腫脹・熱感など注意をしましょう。

 
 

まとめ

今回は新人OTやOTS学生向けに解説をしました。ペースメーカーについては習う機会も少ないですが、観察と心電図波形を見ながら作業療法やリハビリテーションを提供しましょう。

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