CRPSについて

CRPSとは

外傷や手術後に四肢の激しい疼痛や腫脹を生じることが以前から知られており、これを、反射性交感神経性ジストロフィーやカウザルギー、肩手症候群など様々な名称で呼ばれていた。1994年国際疼痛学会は、これらの疾患を複合性局所疼痛症候群(complex reginal pain syndrome 以下CRPS)として統一した。

CRPSは人口の10万人あたり年間5.46~26.2人に発症し女性の方が、3.4倍多い。一般的に下肢より上肢に多く、神経支配領域と無関係に発症し同側および対側の四肢に広がることがある。

 

 

CRPSの症状と診断基準

CRPSの臨床症状は、疼痛や腫脹、運動障害・自律神経症状や皮膚萎縮などである。CRPS患者の心理・社会的な問題や性格特性はCRPSの原因ではなく結果とされている。

1997年Hardenらは関節可動域制限や単純X線写真の骨萎縮像・皮膚温度変化(1℃以上)、発汗変化などのを所見として取り込み、感度99%、特異度68%の診断基準を報告した。

眞下らはCRPSの治療方針決定などのため、厚生労働省研究班によるCRPSのための判断指針をもとに指標を示している。

1994年国際疼痛学会により、明らかな末梢神経損傷のないCRPS typeⅠ型と、末梢神経損傷のあるCRPS typeⅡ方に区分されたが、臨床的意義は乏しい。2005年新たな診断基準が作成され、この基準では神経損傷の有無による症状に違いに差がないとし、TypeⅠ、Ⅱの区別は撤廃された

 

 

CRPSの治療・予防

予防としては手関節骨折後にビタミンCの経口投与は有用であり、他、NSAID、ノイロトロピン、オピオイド、抗うつ薬、や外用薬でも有用とされている。他、髄腔内バクロフェン投与、脊髄電気刺激は有用である。他、リハビリテーションは疼痛を現象させ機能障害の軽減に有用である。

 

 

リハビリテーション

適切な表在・深部感覚を入力し過剰な交感神経活動を抑制し痛みの悪循環を断ち切る。さらに、感覚運動野体部位再現地図の再構成を促し、病的疼痛の発生を阻止あるいは減弱させる。「痛くてもなんとかできる」といった行動変容を促すような心理的アプローチも必要である。

 

 

主なリハビリテーション内容

・交代浴:40℃4分、15℃の冷浴1分とし19分間行う

・ミラー療法:健側手を鏡に映し、両手同時に自動運動を行う。制限のある関節を50回程度動かす。

・認知行動療法:「痛くて何もできない」とゆう「ゆがんだ認知」を修正する。現在の機能で可能と思われる作業を本人と話しあいながら行うよう促す。評価時以外はこちら側から痛みについて聞くことは避ける。

・他、可動域訓練や運動療法が良いとされている。

 

 

参考文献

1)坪田 貞子ら:臨床ハンドセラピィ.文光堂,2011
2)木村浩彰:複合性局所疼痛症候群の診断と治療:.Jpn J Rehabil Med ,53,2016

 

 

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