基礎解説:胃瘻・食道瘻



OT向け胃瘻・食道瘻の構造

胃瘻とは胃壁と腹壁を貫いた瘻孔のことを示す。
 
PEG(percutaneous endoscopic gastrostomy):経皮内視鏡的胃瘻増設術
内視鏡を用いて胃壁と腹壁を癒着させ、胃に瘻孔を作る手技。腹壁及び胃壁で固定し、胃の内腔の侵入は僅かである。腹壁・胃壁側ともに、カテーテルが上皮や胃の漿膜を直接圧迫しないように、カテーテルとの間に適度な隙間がある。
 

食道瘻とは食道壁と胸壁を貫いた瘻孔のことを示す。
PTEG(percutaneous trans-esophageal gastro-tubing):経皮経食道胃管挿入術
出血傾向が強い場合や、胃全摘出術後・大量の腹水症例に適応される。

 
 

作業療法中の管理上の注意事項

注意事項は早期の合併症として感染症が多い。
 
PEGの固定の程度が強いと、皮膚を圧迫することにより、組織壊死や感染症が生じる。
PEGの固定が弱いと、細菌が瘻孔に侵入し、感染症を引き起こす。また、胃の内容物の腹膜への漏出も生じやすい。
 

PEGは胃漿膜と臓側腹膜の癒着が術後2週間程度で完成し、術後4週でより確実に癒着が生じると考えられており、この癒着が重要である。
PEGの圧迫による局所の循環障害がある場合は、癒着が遅延し瘻孔の完成が遅れる原因となりやすいため、注意が必要である。

 

作業療法・リハビリ上の注意点

作業療法中(リハビリテーション中)に外れてしまった場合や漏れを確認した場合は、すぐに看護師と担当医師に報告をしましょう。
更に、患者を回復体位(ベッドアップ10-30度のセミファーラー位)としましょう。
 

瘻孔が未完成の場合は、胃内容物が腹腔内に流出する危険性や、局所感染・腹膜炎の重篤合併症のリスクがあります。そのため、迅速なカテーテルの再挿入が必要です。
 
瘻孔が完成している場合は、重篤な合併症のリスクは少ないですが、医師の診察が必要です。
 

経腸栄養を行なっている際の作業療法などのリハビリテーションは、チューブ類の脱落・抜去に注意しましょう。
また、胃内容物が増加するため、体位変換等で腹腔内圧が上昇し逆流が生じやすいです。
そのため、体位交換や自動運動・他動運動の際も注意しながら行いましょう
 

注意点のまとめ
・チューブ類の抜去等に注意する
・特に経管栄養直後のリハビリテーションの際は体位交換はゆっくり行う
・自動運動・他動運動も注意する
 
 

まとめ

今回は新人OTやOTS学生向けに解説をしました。胃瘻について解説しました。
根本的に全身状態や低栄養状態の方に、胃瘻増設を行うことも多いです。その背景を考えながら、リハビリテーションを行いましょう。
 
 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です